電熱服に使えるモバイルバッテリー
これから寒くなってくると
「寒いけど、厚手の服を重ね着すると着膨れしちゃういんだよなぁ……」
「オートバイに乗ってると重ね着しても寒いんだよね」
このような悩みを抱えている方も多いと思います。
このような悩みを抱えている方には「電熱服」がオススメです。
厚手の生地の洋服を着込んで防寒をするのではなく、電気の力を使って暖めるのが電熱服です。
電熱服にもいろいろな種類があります。
今回は電熱服の仕組みと電熱服に使えるモバイルバッテリーに関してMOTTERU技術担当が解説します。
◆電熱服の仕組み
◆発熱体ってどういう物?
◆電熱服の仕組み
◆電熱服とバッテリー
◆USBモバイルバッテリーだと電熱服がOFFする?
◆電熱服に使えるモバイルバッテリー
◆電熱服の注意事項
◆電熱服の仕組み
電熱服は、その名のとおり電気を利用して発熱し身体を暖める洋服です。
電熱服に装着された発熱体(電熱シート)にバッテリーを接続することで、発熱体の温度が上昇しスピーディーに暖めるのが特徴です。
「こたつ」をコンパクトにしたようなイメージしてください。
電熱服には、ジャケット(長袖)タイプ、ベストタイプなどのタイプがあります。
私のおすすめはインナーとして着用できて目立たないベストタイプです。
◆発熱体ってどういう物?
バッテリーを電熱服に繋げると、電熱服の発熱体が熱くなり衣服の中が暖まります。
この発熱体には
・電熱線タイプ
多くの電熱服で採用されています。電熱線に電気を通すことで電熱線が発熱します。
価格が安く入手しやすいですが、電熱服を洗濯ができなかったり、電熱服を折り畳むと断線することがあります。
・フィルムシートタイプ
近年増えてきたのがこのフィルムシートタイプです。
シート状のフィルムに電気を通すとフィルム全体が発熱します。
回数制限はありますが洗濯が可能であったり、折り畳むことも可能です。
新しい製品なので、電熱線タイプより高価格な場合が多いです。
発熱体が一体になっている電熱服と、発熱体が分離する電熱服があります。
一体型は、折り畳みや洗濯に気を使う必要がありますが、
分離型は、発熱体を取り外せば折り畳みや洗濯が可能です。
分離型は取り付け取り外しなどが面倒なことと、高価格な場合があります。
◆電熱服の仕組み
電熱服の発熱体にバッテリーを接続すると暖かくなると説明しました。
次に温度調整の仕組みを説明いたします。
●電熱服はON/OFFを繰り返して温度調整を行っている
電熱服の多くは温度調整ができます。
低温・中温・高温などの3段階の製品が多いです。
この温度調整はどのような仕組みなのか?
実は電熱服の温度調整はON/OFFの繰り返しで行っています。
簡単にイメージするとOFF時間よりON時間が長いと高温になる。ON時間よりOFF時間が長いと低温になる。
このようなイメージです。
では実際にどのような感じか?測定してみます。
※下記はあくまで例で、ON/OFFなどは電熱服の種類により異なります。
●高温設定
最初に高温設定です。
黄色のラインが電圧
青色のラインが電流
青の電流はずっと同じ値(ON状態)であることを示しています。
●低温設定
次に低温設定です。
青の電流が上下しています。上がON状態、下がOFF状態です。
1秒間ONした後、5秒間OFFを繰り返しています。
ON状態で温度上昇させて、OFF状態で温度を下降させる。
このONとOFFの切り替えで目的とする低温の温度状態を作っているのです。
◆電熱服とバッテリー
市販の電熱服は大きく分けて 『専用バッテリーで動く電熱服』 と 『市販のUSB出力モバイルバッテリーで動く電熱服』 の2種類があります。
各々の特徴ですが
●専用バッテリーで動く電熱服
電熱服とバッテリーがセットになって販売している物は、専用バッテリーで動く物が多いです。
専用バッテリーだけあって、電熱服の動作や相性に関して安心ですが、専用バッテリーは他には使用できないことと比較的高価です。
この場合は、予備(交換)のバッテリーも専用の物が必要になります。
●USB出力モバイルバッテリーで動く電熱服
電熱服だけで付属バッテリー無しで販売している物の多くは、USB出力モバイルバッテリーで使用できる物が多いです。
USB出力モバイルバッテリーで動くと手持ちのモバイルバッテリーを利用できるので出費を抑えることができます。
また予備(交換)のバッテリーも手軽に用意できます。
私の経験では、USB出力モバイルバッテリーで動く電熱服の方が入手性も含め手軽に使うことができます。
◆USBモバイルバッテリーだと電熱服がOFFする?
実際に市販のUSBモバイルバッテリーで動作する電熱服を使っていると
”気づくとモバイルバッテリーの出力がOFFになっている” という問題が起きるときがあります。
(専用バッテリータイプはこの心配はありません。)
では、モバイルバッテリーだと途中で止まる時があるのはなぜなのか?
どのようなモバイルバッテリーを選べば良いのかについて説明いたします。
●なぜ途中で止まるのか?
先ほど説明しましたように、電熱服の多くはON/OFFすることで温度調整をします。
このON/OFFしながら動くことがUSB出力モバイルバッテリーとの相性問題を引き起こす原因となっています。
モバイルバッテリーのType-A出力のほとんどが、一定時間電流が少ないと出力がOFFになるようになっています。
おおよそですが100mA以下が30秒ほど連続すると、Type-A出力がOFFします。
これは、接続したままでON状態が継続すると無駄に電流を流し続けて、モバイルバッテリーの残量が減ることを防ぐためです。
ON/OFFすることで温度調整をする電熱服に対して、この一定時間電流が少ないと出力がOFFになるモバイルバッテリーを接続することで、気が付くとモバイルバッテリーの出力がOFFになり、電熱服が冷めた状態が発生するのです。
『モバイルバッテリーは100mA以下が30秒ほど連続すると、Type-A出力がOFFする』ってさっき書いてあるのに?
電熱服は30秒も連続でOFFしてないでしょ?『1秒ONしたあと5秒OFFを繰り返す』って書いたでしょ?
って思いますよね。
実は30秒ほど連続と書きましたが、厳密な連続ではないのです。
モバイルバッテリーは、一定の周期でたまに出力が100mA以上か確認します。
そして100mA以下が何回か連続して30秒の間続いているとモバイルバッテリーは出力をOFFするのです。
イメージを書いてみます。
図では 『100mA以下が4回続いて30秒間になる』 と書いてますがあくまで例です。
(実際はICの中身の話で非公開のため、私もどの頻度で監視しているか?なのです・・・)
まだまだ分かりにくい話だと思いますが、
一定の間隔で電流を確認するモバイルバッテリーの周期
と
ON/OFFで温度調整をする電熱服のOFFのタイミング
が30秒の間連続して一致するとモバイルバッテリーは出力をOFFしてしまうのです。
各々同期していないタイミングですので、頻繁には発生しないですが、長時間使っていると発生します。
ですので、いつも動くんだけど何故止まったんだろう?故障?と思ってしまいます。
●電熱服が止まらずにうまく動いてるパターン
画像の青の矢印➡がモバイルバッテリーが電流を確認しているタイミングと思ってください。
確認している青の矢印➡と電熱服のONが一致している状態(黄色の楕円〇)があると、そこで30秒間の確認を再スタート直します。
このように再スタートが繰り返し行われている間は電熱服は、継続して暖め続けることができます。
●電熱服が止まってしまうパターン
確認している青の矢印➡と電熱服がONしている状態と重なっていない状態が続いたため、30秒間のOFF状態が継続したと判断してモバイルバッテリーが出力をOFFします。
これが ”気づくと電熱服がOFFになっている” という問題の原因です。
◆電熱服に使えるモバイルバッテリー
ではUSBモバイルバッテリーは電熱服に使えないの?となりますよね。
次に電熱服で動くモバイルバッテリーを選ぶ基準やモバイルバッテリーを使うコツをお教えします。
●低電流モードを備えたモバイルバッテリーを選ぶ
『低電流モード』とは?
先に説明しましたようにモバイルバッテリーのType-A出力は100mA以下が30秒間ほど続くと出力をOFFします。
『低電流モード』は、この機能を無効化します。
『低電流モード』は主に充電電流が小さいワイヤレスイヤホンなど向けに設けた機能で、3時間出力を継続して3時間後に自動的にOFFします。(時間はモバイルバッテリーで異なる場合があります)
この『低電流モード』を使うことで、電熱服が温度調整でON/OFFをしても3時間は電熱服はON状態を継続することができます。
でも電熱服が3時間でOFFするともう一度ONしないといけないんだよね。面倒だな・・・と感じると思いますが、電熱服の長時間連続使用は低温やけどに繋がる可能性もあります。
低温やけど防止の意味でも3時間程度で一度OFFするのが良いと思います。
※MOTTERUのモバイルバッテリーは電源ボタンを5秒ほど長押しすると『低電流モード』がONしLEDがゆっくり点滅します。
『低電流モード』をOFFするには電源ボタンを素早く2度押ししてください。
●Type-C入力の電熱服を選ぶ
まだまだType-A入力の電熱服が多いですが、Type-C入力の電熱服を選ぶと電熱服がOFFになる可能性は低くなります。
Type-C出力は何か負荷が接続した状態では出力ONすることがUSB規格で定められています。
この機能を利用することで、Type-C入力の電熱服を選べばモバイルバッテリーは出力ONを継続します。
ただし、
・電熱服のType-C入力がUSB規格に沿った設計であること。
・モバイルバッテリーのType-C出力もUSB規格に沿った設計であること。
という制限が発生します。
電熱服がUSB規格に沿った設計かはおそらく、電熱服の販売元にたずねても分からないのではないかと思います。(残念ですが弊社に質問されても分からないです)
MOTTERUのモバイルバッテリーは、USB規格に沿った設計です。Type-C出力は負荷が接続されるとON状態を継続しますのでご利用可能です。
●Type-C(オス)-Type-A(メス)変換ケーブルを使う
電熱服がType-A入力の場合、『Type-C(オス)-Type-A(メス)変換ケーブル』を使うことでモバイルバッテリーのType-C出力を利用することが可能です。
USB規格に沿ったモバイルバッテリーであれば、Type-C出力に負荷が接続すると出力ONを継続します。
『Type-C(オス)-Type-A(メス)変換ケーブル』のType-C(オス)には、出力をONする機能が備わっているため、これを接続するとモバイルバッテリーは出力を継続し、『Type-C(オス)-Type-A(メス)変換ケーブル』のType-A(メス)を電熱服のType-A入力に接続すれば電熱服はON状態を継続することができます。
※MOTTERUのモバイルバッテリーは、USB規格に沿った設計ですのでご利用いただけます。
画像引用元:株式会社オウルテック
◆電熱服の注意事項
●発熱体とバッテリーは重ならないようにしてください
モバイルバッテリーは熱に弱いです。そのため電熱服の発熱体の位置とモバイルバッテリーの位置が重なると
発熱体の熱によりモバイルバッテリーの温度が上昇し危険な状態になります。
そのため、モバイルバッテリーを入れる内ポケットの位置が発熱体と重ならない電熱服を選ぶと安心です。
発熱体が背中だけで、モバイルバッテリーのポケットは前にある電熱服も安心ですね。
MOTTERUのモバイルバッテリーは温度監視をしていて危険な温度になると出力を停止しますが、モバイルバッテリーが熱くなったと感じた時は一度電熱服をOFFして、できるだけ危険な状態は避けるようにしてご利用ください。
●低温やけどに注意してください
最近の電熱服は、温度測定機能を持っていて、低音やけどや火事を防ぐよう温度を安定的に保つ機能が付いていますが、長時間の着用は十分注意してください。
詳細は電熱服の取り扱い説明書を確認してください。
以上、電熱服に使えるモバイルバッテリーでした。
MOTTERUのモバイルバッテリーは、設計段階の仕様のチェック、動作テストを日本国内で行っています。
過充電や過放電の心配のない、安心・安全に使えるモバイルバッテリーです。
MOTTERUオススメの電熱服に使えるモバイルバッテリーです。
PD30W入出力対応 残量表示モバイルバッテリー10,000mAh シリコンケーブル付属 2年保証(MOT-MB10003-EC)
【店舗限定モデル】国内最小最軽量 PD20W対応 モバイルバッテリー 大容量10,000mAh スマホ約3回分充電 2年保証(MOT-MB10001Z)
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