ODM生産でモバイルバッテリーを作る!OEMとの違いは??
近年、スマートフォンやタブレットなどの電子機器を誰でも持ち歩く時代となりました。モバイルバッテリーの普及によって、外出先でも充電を気にせず使えるようになりましたね。
もしもの時に備えて持ち運ぶモバイルバッテリーは、周囲の人の目に触れる機会も多いものです。そのため、ブランド品やオシャレにこだわったもの、自身でデコレーションしたものなど、機能性だけではなくデザイン性を重視したモバイルバッテリーが人気となっています。
デザイン性が多様化し、商品化されることで、モバイルバッテリーをODM生産する企業もますます増えています。ODM商品を製造することで、どのような効果を得られるのでしょうか?
そこで今回は、モバイルバッテリーをODMで生産するメリットやデメリット、間違えやすいOEMとの違いについて解説していきます。また、そもそも「ODM生産ってどういうこと?」と思われている方に向けて、“ODMとは何か”ということについても触れていきますので、ぜひご参考ください。
目次
ODM生産って何?
ODM生産でモバイルバッテリーを作る!実現できそうなこととは?
ODM生産って何?
まずはじめに、ODM(オーディーエム)とはどのような意味を持つのかについて解説していきます。現代のビジネス社会では不可欠な仕組みとなっているので、この機会にぜひご確認ください。
ODMは、開発から製造まで受託企業が全部やる
ODMは、
Original(オリジナル)
Design(デザイン)
Manufacturing(製造)
の略称となります。直訳してみると「オリジナルなデザイン・製造」となりますが、正しくは「企業が自社商品の開発・デザイン・製造といった一連のプロセスを外部に委託する」ことを意味します。受託企業が製品の開発や製造を一貫して担当し、中にはマーケティングや販売までを担うパターンもあります。
ODMにおける一般的な作業を整理すると、以下の通りになります。
■委託企業
・製品案の発注
・製品の販売(受託企業が行う場合もある)
■受託企業
・製品の設計
・製品の開発
・製品の製造
受託企業は、そのほかにも物流や技術情報の提示、製品提供、修正の対応といった幅広いサービスを行う場合があります。ODM生産を請け負う企業を「ODM企業」と言いますが、ODM企業が展開するサービスは年々広がりを見せているのです。
ただし、企画や仕様が不透明なままODM生産を開始すると、委託側と受託側の間でトラブルに発展する恐れもあります。設計前の段階では、双方の企業が意向をしっかりと話し合うことが大切です。
ODM生産の具体的な流れ
ODM生産の具体的な流れは以下の通りです。
①委託企業のアイデアや要望を提出する
生産を委託する企業は、作りたい商品のアイデアや要望をODM企業に伝える。
②デザイン・開発を行う
ODM企業は、提案をもとに製品をデザインし、必要な開発作業を行う。
③製品のサンプルを作る
デザインが固まり次第、ODM企業はサンプルを製作する。
④生産を開始する
サンプルが委託企業に承認されたら、受注数をもとに生産を開始する。
⑤委託企業に納品する
完成した製品を委託企業に納品する。委託企業はできあがった製品を自社ブランドとして販売する。
ODMとOEMの違いは?
ODMと似た用語で、OEMという生産形態があります。OEM(Original Equipment Manufacturing)は「他社ブランドの商品を製造する」という意味で、受託企業が生産・製造のみを行うという特徴を持っていました。つまり、OEM生産では委託企業の企画・設計のもと、受託企業が製造を行う仕組みとなっていたのです。
しかし近年では、OEMでも受託企業が企画・設計を担当するケースもあり、ODMとOEMの境界線は曖昧になりつつあります。また業界によってもOEMの内容が大きく異なってくるので、注意が必要です。
OEMの詳しい内容やメリット・デメリットについてはこちらの記事で解説しています。
【「モバイルバッテリーのOEM生産するメリット・デメリットとは」】
区別がつきにくいODMとOEMですが、大きな違いとして「委託企業と受託企業の技術力の差」がうかがえます。OEMは委託企業が主体となる場合も多く、受託企業はあくまで生産・製造を担う会社というイメージが強くなります。生産における技術力は同レベル程度で、委託企業が技術指導を行うこともあります。
一方、ODMはODM企業が委託企業よりも生産技術やスキル・知識などが高く、主体的に企画から製造までを担います。OEMは委託企業が主役、ODMはODM企業が主役と言えるかもしれません。
ODMのメリット・デメリットとは?
近年、ODM生産はビジネスシーンで多く用いられるようになりました。委託企業とODM企業の双方にメリットがあるからこそ普及した生産形態ですが、具体的にはどのような効果を得られているのでしょうか?また一方で、デメリットはあるのでしょうか?
ここからは、ODM生産を行うことによって得られるメリットやデメリットについて考えていきましょう。
ODMのメリット
ODMを委託する企業の主なメリットとして、
・自社ブランドの構築や販売に専念できる
・開発や設計のノウハウがなくても新規事業に参入できる
・人材確保や設備投資、技術習得のコストを削減できる
・スピード感のある製品開発ができる
ことなどが挙げられます。
ODM生産は、開発や設計のタイミングから製造までを一貫してODM企業に委託する形態のため、委託企業はノウハウがなくても自社商品を製造することができます。新規事業を構築する際も、ODM生産は多く取り入れられている手法です。これらの仕組みから、製造に必要な設備を自社で用意する必要がなく、また人材確保や技術習得にかかる時間・コストもなくなります。高い技術力を持ったODM企業に任せられるため、スピーディーな製品開発が可能です。
また、ODMを受託する企業の主なメリットとして、
・ブランド構築せずとも収益率アップが見込める
・ノウハウ・技術レベルが向上する
・OEMよりも利益を得やすい
ことなどが挙げられます。
ODM企業は、ODM生産を請け負うことで自社ブランドを構築しなくても利益を得ることができます。ブランドを一から構築するためには時間も人材も必要ですが、他社ブランドの生産を通して商品を販売することで生産効率が向上します。また、ODM生産で生まれた他社ブランド商品の製造元欄にはODM企業の名前が印字されるため、知名度を高めていくことも可能です。製造を通してノウハウが蓄積し、技術力の向上も見込めます。さらに、ODM企業が担当する業務のウェイトが大きいので、OEM生産よりも利益が出やすいと言われています。
ODMのデメリット
ODMを委託する企業の主なデメリットとして、
・価格や品質をコントロールできない
・アイデアや機密情報が外部に漏れる恐れがある
・自社製造のためのノウハウが蓄積されない
ことなどが挙げられます。
ODM生産は、その多くをODM企業に依存する形態とも言えます。そのため委託側が主導権を握ることが難しく、価格や品質をコントロールできない傾向があります。製品が他社モデルと似通ってしまったり、ブランドイメージが崩れたりする可能性もあるので注意が必要です。また、OEMよりも情報流出が多くなるので、情報漏洩のリスクが高まります。さらに、開発から製造までを委託するため、自社に蓄積されるノウハウは限定的なものとなるでしょう。
また、ODMを受託する企業の主なデメリットとして、
・生産に関わる責任が重い
・委託企業の社内都合によって生産計画が頓挫する恐れがある
ことなどが挙げられます。
開発や設計にはじまり、製造まで全てを任せられるということは、その分責任も重くなるということです。ODM生産の過程で、その製品に何らかのトラブルが発生したとき、委託企業から責任を問われるリスクがあります。また、委託側がトレンド調査に時間を要したり、販売計画が甘かったりした場合、生産が頓挫する可能性もあります。例えば予算や生産数、販売計画などについても受託側が介入していくなど、臨機応変な対応が求められます。
ODM生産でモバイルバッテリーを作る!実現できそうなこととは?
ここからは、メリット・デメリットを踏まえた上で、モバイルバッテリーのODM生産で実現できそうなことについて考えていきましょう。
ODM生産は、ノウハウがなくても高品質の製品を製造できるため、モバイルバッテリーの新規参入におすすめです。例えば「雑貨を販売しているけれど、オシャレなモバイルバッテリーを新しく商品化したい」といった、電子機器を製造できる設備や技術力を持っていないケースが挙げられます。マーケティングなどに自信のない企業は、求めているサービスにも対応したODM企業を探しましょう。
また、個人事業主や中小企業など、スモールビジネスを行っている会社がモバイルバッテリーを製造したい場合にもODM生産はおすすめです。ODM生産でモバイルバッテリーを製造すれば、人材確保や技術習得に時間やコストを割く必要がなく、ブランド構築や商品の販売に専念することができます。
ODM生産では、モバイルバッテリーを開発・製造する技術は身に着きませんが、そもそも「一からモバイルバッテリーを作りたいわけではない」企業も多いと予想されます。自社ブランドのロゴやイラストをモバイルバッテリーにプリントすることで差別化を図りたい企業にとって、ODM生産は適した生産形態と言えるでしょう。
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ODMの流れや、法人ご担当者の方はこちらも合わせてご覧ください!
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