確定申告まだ家でやってないの?おうちでできるe-Taxとは?

「確定申告会場に並ぶのが面倒!」
「e-Taxに興味があるけれど、やり方が分からない」
とお悩みの方へ。
確定申告は市役所や税務署の会場で並ばなくても、e-Taxを使うことで家で完結できます。
パソコンやカードリーダーの準備や利用手続きが必要ですが、これさえ乗り越えれば、確定申告で長蛇の列に並ぶ必要がありません。
この記事では、確定申告の基本やe-Taxのやり方、必要なものを解説します。
改めて確定申告とは?どういう人がやる必要あるの?
おうちでできるe-Taxとは?
e-Taxで確定申告をする前に。準備万端にして始めよう!
改めて確定申告とは?どういう人がやる必要あるの?
確定申告とは、所得税の金額を計算して税務署に申告する手続きの事です。
アルバイトやパート・会社勤めで得た収入や所得にかかる税金を確定して、国民の三大義務の1つである「納税義務」を果たします。
確定申告が必要な理由は、国が採用している「申告納税制度」にあります。
本来、すべての納税者は自ら所得税額を計算して、確定申告として報告・納税をしなければなりません。
会社に勤めている方は、「確定申告や納税なんてしたことない!」という方が多いでしょう。
これは会社があなたの代わりに確定申告をしているためで、給与やボーナスから所得税を引いて納税してくれているのです。
しかし、会社員の場合でも自分で確定申告が必要なケースもあります。
ここでは、確定申告が必要な以下4つのケースを解説します。
フリーランス・個人事業主
確定申告が必要な人として有名なのは、フリーランスや個人事業主です。
雇用されていないフリーランス等のビジネスパーソンは、自分の代わりに確定申告や納税をしてくれる会社がありません。
そのため、自分で確定申告や納税を行います。
フリーランスや個人事業主・自営業の場合、年間所得が「48万円」を超えると確定申告が必要です。
48万円以下なら税金がゼロとなるので、納税は必要ありません。
しかし融資やローンを組みたい時、実績として売上や収入の証明を求められるケースがあります。
この場合確定申告書の控えが有効となるので、売上を証明するために確定申告が必要です。
副業の収入が年間20万円以上ある会社員
昨今では副業OKとする会社が増えました。
会社員が副業で年間20万円以上を得た場合、確定申告が必要です。
副業としてアルバイトで給与を得たなら「給与所得」、せどりや不用品を販売して得たなら「雑所得」、農業や漁業・製造や卸・小売業、サービス業で得たなら「事業所得」、所有している不動産の賃貸・販売で得たなら「不動産所得」となり確定申告の対象となります。
一時所得が発生した人
働いたり物を売ったりして得たのではなく、一時的に得た所得は「一時所得」といわれます。
この一時所得を得るための支出額と特別控除額(最大50万円)の合計を超えて所得額が発生する場合、確定申告が必要です。
一時所得は、例えば競馬の払戻金や生命保険の一時金、宝くじ以外の懸賞や福引、遺失物拾得者として受け取った報労金などが当てはまります。
勤めていた会社を退職し、退職所得がある方も確定申告が必要です。
ただし、「退職所得の受給に関する申告書」を提出すれば確定申告が不要となる場合もあります。
★詳しくはこちらを確認してください。
株や不動産収入がある人
FXや株取引、不動産所得が発生した人も確定申告が必要です。
株や投資信託では、少額投資非課税制度である「NISA」であったり、源泉徴収している特定口座で取引したりした場合は必要ありません。
確定申告が必要な人について、詳細な条件は国税庁のHPで紹介されています。
「自分には確定申告が必要かな?」と心配な方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
→【国税庁HP】 確定申告が必要な方
ふるさと納税をされた人
ふるさと納税は、地方公共団体への寄附金として、確定申告における寄附金控除の対象となります。
ふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、各ふるさと納税先の自治体にふるさと納税ワンストップ特例の申請を行われた方は、原則として確定申告は不要です。
ただし、ワンストップ特例の適用外となった方は、所得税及び個人住民税において、寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告をする必要があります。
★ご自身が対象かどうか、下記リンクから確認を行ってください。
おうちでできるe-Taxとは?
確定申告は毎年2月から3月の期間限定で行われており、市役所や税務署は毎年大変混雑します。
しかし「e-Tax」を使えば自宅から確定申告できるので、市役所や税務署の確定申告会場に行く必要がありません。
e-Taxとは国税庁が提供する国税電子申告・納税システムのことで、2004年から導入されています。
このe-Taxによってデジタルで確定申告ができるようになり、申告データをインターネット上で提出できるようになったのです。
e-Taxのメリット・デメリット
e-Taxのメリットは以下の通りです。
- パソコンやスマートフォンで確定申告を完結できる
- 書類の印刷・郵送の必要がない
- 青色申告の場合控除額が10万円アップする
- 還付が早い
e-Taxはパソコンやスマートフォンでできるので、確定申告会場に行く必要がありません。
混雑する会場で何時間も待つ必要がない点は、e-Taxの大きなメリットです。
データで提出するので、紙の書類を印刷したり郵送したりといった手間も省けます。
また国税庁はe-Taxを推奨しており、2020年度以降e-Taxで確定申告を行うと控除額が10万円アップしました。
これは、課税対象となる収入から10万円さらに引くことができるという優遇措置です。
還付金が発生した場合、紙なら1か月以上かかるところをe-Taxなら3週間程度というスピードで処理される点もメリットの1つです。
上記のようなメリットがあるe-Taxですが、以下のようなデメリットもあります。
- 利用手続きに手間がかかる
- インターネット環境が必要
e-Taxは利用する前に準備が必要で、「利用者識別番号」や「電子証明書」を取得したりマイナンバーカードを準備したりといった手間がかかります。
1度行えばその後の確定申告もe-Taxを使えるので、初めて利用する年のみです。
e-Taxの利用手続き・確定申告の流れについては、次で詳しく解説します。
e-Taxで確定申告する流れ
e-Taxで確定申告する流れは、以下の通りです。(個人の場合)
- 利用者識別番号を取得する
- 電子証明書を取得する
- 手続きを行うソフトやコーナーを選ぶ
- 申告・申請データを作成・送信する
- 送信結果を確認する
e-Taxで確定申告するためには、16ケタの「利用者識別番号」が必要です。
Webでマイナンバーカードを使ってアカウントを登録したり、Web上で「開始届出書」を作成・送信したりした時に取得できます。
他にも方法がありますので、詳しくはe-Tax公式サイトのご利用の流れをご参照ください。
次に、確定申告データが本人のものであり改ざんされていないことを確認するための「電子証明書」を取得します。
デジタル上での本人確認証のようなもので、確定申告には必須です。
マイナンバーカードにはICカードが組み込まれており、手続きによって電子証明書としても利用できます。
それ以外にも、公的個人認証サービスなどで発行してもらうことができるので、詳しくはe-Taxの電子証明書の取得をご参照ください。
次に、どのソフト・コーナーで確定申告を行うか選びます。
2024年12月時点では、「確定申告書作成コーナー」や「e-Taxソフト(WEB版)」、ダウンロードして使う「e-Taxソフト」があります。
そして確定申告データの作成です。
事前に選んだ確定申告ソフト・コーナーの画面で取得した電子証明書の登録を行い、確定申告データを作成します。
データができたら電子証明書を添付して、送信すれば完了です。
しばらくするとソフト上で送信データの審査結果が返ってきますので、無事に送信されたことや電子証明書が合っているかをチェックしましょう。
上記がe-Taxによる確定申告の流れです。
流れが複雑に感じるかもしれませんが、利用者識別番号や電子証明書の取得、申告するソフトの選択は最初のみとなります。
e-Taxで確定申告をする前に。準備万端にして始めよう!
e-Taxの利用方法は1つ前にご紹介しました。ここでは、e-Taxで確定申告するために準備が必要な、以下のものをご紹介します。
- 推奨環境を満たすパソコンとインターネット環境
- ICカードリーダライタ
- プリンタ
- 充電ケーブル
- パソコンを充電するためのACアダプター
推奨環境を満たすパソコン
e-Taxをパソコンで行うためには、以下の環境が必要です。
■Windowsの場合
e-Taxで送信する場合 | 印刷して書面で提出する場合 | |||
OS | ブラウザ | マイナンバーカード方式 | ID・パスワード方式 | |
Windows 10
Windows 11 |
Microsoft Edge | ○ | ○ | ○ |
Google Chorme | ○ | ○ | ○ | |
Firefox | × | ○ | ○ | |
PDF閲覧ソフト | Adobe Acrobat Reader DC |
e-Taxは、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つがあります。
マイナンバーカード方式は自宅でもできますが、ID・パスワード方式は「確定申告書等作成コーナー」という国税庁が作ったシステムでのみ利用できる方式です。
e-TaxはパソコンならMacintosh(マッキントッシュ)、スマートフォンやタブレットからでもできますが、いずれも推奨環境を満たしていなければなりません。
それぞれの環境については、e-Tax公式の利用環境の確認はこちらをご参照ください。
ICカードリーダー
e-Taxでは本人確認として電子証明書を利用しますが、電子データを読み取るための「ICカードリーダー」が必要です。
ICカードリーダーは、購入後に専用ドライバーをインストールしてから使用します。
ICカードリーダーは、e-Taxに対応したもののみ利用可能です。
対応しているメーカー・型番については、公的個人認証サービスポータルサイトの「マイナンバーカードに対応したICカードRW一覧」をご参照ください。
プリンタ
e-Taxは確定申告を電子データで提出するため、プリンタは必須ではありません。
しかし紙媒体の控えが欲しい場合、印刷した確定申告書類を税務署に郵送すると、受領した日付を押印して返送してくれます。
この控えは住宅ローンや自動車ローンの申請や保育園の入園手続き、奨学金の申請などに有効です。
充電ケーブル
カフェなどでゆっくりe-Taxをしたい方は、パソコンだけでなく充電ケーブルも持っていきましょう。
電源が使えるカフェなら、パソコンの充電を気にせずに作業できます。
充電を早く終わらせたい人は、PD(USB Power Delivery)機能があるケーブルがおすすめです。
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パソコンを充電するためのACアダプター
外出先での充電では、ACアダプターも持っておくと安心です。
ACアダプターはパソコンに充電する電源装置で、四角い箱の形をしています。
ACアダプターはパソコンやスマートフォンの充電に欠かせないもので、コンセントから供給される電流を充電できる規格に変換したり、電圧を調整したりするために必要です。
パソコン購入時にセットになっている専用のもの以外にも、規格が合っていれば別で購入した汎用タイプも使えます。
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