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2024.07.26 テクノロジー

過充電、過放電ってどういうこと?

過充電、過放電ってどういうこと?

スマートフォンやモバイルバッテリーなどを使っていると聞くワード

『過充電』・『過放電』

何気なく理解しているのは『過充電』や『過放電』はよくないってことだと思います。

本当に『過充電』や『過放電』はよくないのか?心配ですよね。

そんな方のために『過充電』・『過放電』って何?本当によくないの?

MOTTERUの技術担当がわかりやすく解説します。

 

 

◆『過充電』についてもっと知ろう
◆『過放電』についてもっと知ろう
◆やっぱり『過充電』・『過放電』は危ないの?
◆モバイルバッテリーやスマートフォンの過充電保護・過放電保護
◆『過充電保護』って?
◆『過放電保護』って?
◆ほんとうに過充電や過放電は発生しないの?

 

◆『過充電』についてもっと知ろう

『過充電』ってどういう意味でしょう。

一般的には、電池の容量が100%を超えてもさらにエネルギーを詰め込もうと充電する状態のことをいいます。
過充電を行うと電池の正極が許容量を上回るリチウムイオンを放出してしまい、電池内の状態が不安定になり劣化が進行し発火になるケースもある危険な状態です。

例をあげて説明します。
車にガソリン(電気自動車じゃないです)を入れます。満タンになったら止めますよね。
溢れたら発火する危険な状態です。

これを止めずにガソリンを入れ続けて、ガソリンがあふれ出す状態になることを『過充電』と考えてください。

 

◆『過放電』についてもっと知ろう

次は『過放電』です。

一般的には、電池の容量が0%になったのにさらにエネルギーを放出した状態のことをいいます。
過放電の状態が長く続くと、電池の負極に用いられている銅箔が溶け劣化を促進します。
最終的には充電できない状態にまでなってしまうこともあるので避けたいです。

これも車とガソリンの関係を例をあげて説明します。
車のガソリンメーターが空(Empty)を示したらガソリンを給油しますよね。


ガソリンを入れないとガス欠を起こして動かなくなります。
ガス欠のまま放置すると燃料ポンプが痛み摩擦熱や摩耗で故障につながります。

このように車のガス欠を放置した状態を『過放電』と考えてください。

◆やっぱり『過充電』・『過放電』は危ないの?

ここまでの説明でやっぱり『過充電』・『過放電』は危ないの?と思いますよね。

はい。『過充電』・『過放電』の状態は危ないです。

しかし、安心してください。

『過充電』・『過放電』はモバイルバッテリーやスマートフォンでは通常起こりません。

モバイルバッテリーやスマートフォンに内蔵されたリチウムイオン2次電池に直接充電や放電を行えば、過充電や過放電が発生しますが、
モバイルバッテリーやスマートフォンという製品の形になると発生しないのです。

何故、モバイルバッテリーやスマートフォンだと発生しないのか?
解説します。

 

◆モバイルバッテリーやスマートフォンの過充電保護・過放電保護

何故、モバイルバッテリーやスマートフォンだと発生しないのか?

それはモバイルバッテリーやスマートフォンの『過充電保護』や『過放電保護』の機能が働くからです。
次に『過充電保護』や『過放電保護』について説明します。

 

◆『過充電保護』って?

『過充電保護』がどのような機能か?
これも車とガソリンで説明します。
先ほど説明したようにガソリンを入れ続けて、タンクからガソリンが溢れ出す状態になることが『過充電』です。

しかしガソリンスタンドで給油してもガソリンがタンクから溢れ出すことはありません。
それは満タンになるとガソリンが溢れること(過充電)がないように給油を停止する機能(過充電保護)が働いているからです。

モバイルバッテリーでは、


(1)リチウムイオン2次電池の使用可能領域で充電を行うようにモバイルバッテリー使用範囲を決定(ICを選定)します。
リチウムイオン2次電池の使用範囲を超えることはなくなります。これが一つ目の『過充電保護』です。

(2)リチウムイオン2次電池の使用可能領域を超える異常事態が起きた時に保護が働くように過充電保護を設定(保護ICの選定)します。こちらは(1)の過充電保護が働かないような異常事態が起きた時のための2つ目の『過充電保護』です。

このように(1)と(2)の2重の過充電保護が働くことでモバイルバッテリーやスマートフォンは、充電器を接続したままの状態にしても過充電を起こすことなく充電を停止します。
モバイルバッテリーやスマートフォンが過充電になることはありません。

 

◆『過放電保護』って?

『過放電保護』も車とガソリンで説明します。
先ほど説明したように車のガス欠の状態を放置することを『過放電』とします。

ガス欠の状態になったら、Emptyマークが点滅しアラーム音が鳴ります。
これ以上運転するのは危ないよ。と警告を鳴らしてくガス欠
を回避するようにします。
これを『過放電保護』が働いていると考えてください。
車とガソリンで説明すると『過放電保護』は警告だけで弱いように感じますよね。


モバイルバッテリーでは、

(1)リチウムイオン2次電池の使用可能範囲領域で放電を行うようにもモバイルバッテリー使用範囲を決定(ICを選定)します。
リチウムイオン2次電池の使用可能領域の下限より前にモバイルバッテリーを停止するようにします。これが一つ目の『過放電保護』となります。

(2)リチウムイオン2次電池の使用可能範囲領域を超える異常事態が起きた時に保護が働くように過放電保護を設定(保護ICの選定)します。
こちらは(1)の過放電保護が働かないような異常事態が起きた時のための2つ目の『過放電保護』です。

2重の過放電保護が働いているので過放電は発生しないと考えてください。

モバイルバッテリーやスマートフォンが0%になった後、『過放電保護』が働いた状態になった時には、リチウムイオン2次電池との接続を電気的に切断させてしまいます。
ですのでモバイルバッテリーやスマートフォンは過放電にはなりません。

 

◆本当に過充電や過放電は発生しないの?

ここまで説明すると、世の中のモバイルバッテリーやスマートフォンでは過充電や過放電は発生しない。
ということになりますが、残念ながらそう断言もできません。
設計やテストをしっかりしていない製品では過充電や過放電を起こす可能性はあります。

正しい過充電保護・過放電保護の設計やテストを行ってこそ、安心・安全な製品ができるのです。

私どもがテストした市場販売中の商品の中には、残念ながら過充電や過放電をする商品がありました。
きちんとしたメーカーの商品を購入することをお勧めします。

また、きちんと設計した製品でも

・充電器に繋ぎっぱなしで放置するとスマートフォンなどは、じわじわと劣化が進みます。これは『過充電』とは異なります。
スマートフォンは、満充電になってもバッテリーを消費すると充電を再開します。
つまり満充電の状態でも常に少しずつ充電をする状態を継続するのです。これはノートパソコンも同じ仕組みです。
この状態は少しずつですが、じわじわと充電を繰り返していることになりリチウムイオン2次電池の繰り返し使用回数を消費して劣化が進行します。
ただし、劣化が急激に進むことはありません。
繋ぎっぱなしにすると少し寿命が短くなる程度と考えて良いです。
(モバイルバッテリーは充電を止めるので繋ぎっぱなしにしても心配ありません)

 

・0%の状態で長期間放置すると劣化が促進します。
モバイルバッテリーやスマートフォンは、0%で停止するので『過放電』はありませんと説明しました。
モバイルバッテリーなどは、実は0%で停止してもまだ少しだけ余剰な電力が残っているのです。


この少しの余剰な電力があることで、スイッチを押すとLEDが点灯(点滅)したり、AC充電器を接続すると充電を再開することができます

ただし、この余剰な電力も待機電流や自然放電で少しずつ減少します。

モバイルバッテリーが0%になってから長期間放置すると待機電流や自然放電により、余剰な電力は少しずつ減っていきます。
そして本当に空っぽになって、終始電圧に達してしまうと『過放電領域』という状態に入ってしまいます。
『過放電領域』に入るとリチウムイオン2次電池は劣化が促進し、膨らんだり製品によっては使えなくなります。
通常の使い方では『過放電』にはならない仕組みにはなっていますが、待機電流や自然放電で『過放電領域』に入
ることがあるのです。

モバイルバッテリーが0%になったらAC充電器に接続して充電するようにし『過放電領域』にならないようにしてください。
(※製品により異なりますが、目安として0%の状態を3か月以上放置しないようにしてください)

 

以上、モバイルバッテリーは過充電や過放電を過剰に気にする必要はありません。
ただし、気にしなくても安心して使える製品を選んでお使いください。

MOTTERUのモバイルバッテリーは、設計段階の仕様のチェック、動作テストを日本国内で行っています。
過充電や過放電の心配のない、安心・安全に使えるモバイルバッテリーです。

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